無能なナナに登場する鶴岡タツミ。
ナナの育ての親であり、ナナの最後の敵になるであろう鶴岡タツミですが、彼の正体や目的などは今の所一切明らかになっていません。
現在までの行動や発言から、何を企んでいるのかを考えてみたいと思います。
以下、6巻以降のネタバレを含みます。ご注意ください。
無能なナナ 鶴岡タツミは何者なのか?
無能なナナっていう漫画の鶴岡っていうキャラなんですけどめっちゃCV大塚芳忠って感じしない?ねえ?誰か同意して?? pic.twitter.com/cU3VrkF8H9
— ごえもん (@Goe_Pon_Gopo) April 18, 2020
鶴岡タツミの初登場は4巻です。
最初はシルエットだけの登場ですが、「ナナはおれの家族も同然なのだから」と発言したその姿からは軍服姿も相まって大物感に満ちあふれており、読者的にもかなりのインパクトがありました。
鶴岡タツミが何者なのかは非常に気になるところですが、そもそも基本的な情報としても名前以外は明らかになっていないというのが現状です。
(分かっている点としては、”「人類の敵」である能力者を秘密裏に抹殺する国家組織「委員会」に所属しており、かなりの権限を有している”ということでしょうか。)
そもそもの情報が少ないため、鶴岡タツミの登場シーンやその際にどんな言動をしていたかを振り返りながら、分かることを記載していきたいと思います。
鶴岡タツミの登場と言動について
以下、初登場以降の鶴岡タツミの行動や言動を振り返っていきます。
鶴岡からナナへの電話
行方不明となった犬飼ミチルを探しに行くナナに、鶴岡から電話が入ります。
非通知で誰か分からなかったナナですが、「おれだ」という一言で鶴岡からの電話だと気づいたナナは、その瞬間に「ピッシィィィッ」と背筋を伸ばし、電話なのにその場でお辞儀をするなど、尊敬を通り越して「畏怖」と言える程にかしこまっていました。
本人がその場にいないのに、ここまでするナナの動作は「異常」と言えます。
この描写からは、ナナにとって絶対に逆らえない相手であり、かなりの大物だという印象を受けますね。
視察として島にやってきた鶴岡とナナとの会話
島で生徒が次々に失踪、殺害されている状況で視察としてやってきた鶴岡は、生徒たちに対して演説を行いました。(本来の目的はナナの様子見ですが。)
最初は生徒からの反感を買っていましたが、巧みに生徒たちに取り入り、短時間で生徒たちを「人類の敵」と戦う意志を持たせるまでに奮起させました。
その手腕は見事なもので、もはや「洗脳」という方が近い印象を受けました。
その後、鶴岡はナナと1対1で会話しますが、ナナはそのとき犬飼ミチルを失い、消耗しきっていました。
「犬飼ミチルは本当に人類の敵なのか」疑問に感じてしまったナナはその思いを鶴岡に相談します。処分されることも覚悟するナナに対して、鶴岡はナナに「それでいい」と言って寄り添いました。
ナナからすると予想外とも言える鶴岡の優しい言葉に絆され、ナナは涙をこぼします。
さらに、鶴岡はこれまで頑張ったご褒美として、「まだ蘇生する可能性がある犬飼ミチルを助ける」とナナに約束しました。
大粒の涙を流しながら鶴岡に感謝するナナは、犬飼ミチルのためにも「人類の敵を倒す」と、改めて奮起し、元気を取り戻しました。
…というところまでが鶴岡タツミが初めて島に来たときの行動です。
こちらの人心掌握も見事なものですね。
ナナが今一番願うことを提示し、「人類の敵」を殺すことに疑問を覚えつつあったナナを再度奮起させることに成功しています。
しかしナナと分かれたあと、鶴岡はまだ生きている可能性がある犬飼ミチルの遺体に向かって銃を2発、発砲しました。
鶴岡は最初から犬飼ミチルを助けるつもりはなく、再度ナナに人類の敵を殺させるために嘘をついただけだったんですね。これはあんまりですよね…
この描写から、鶴岡タツミが明確に「悪者」として描かれていることが確認できます。
橘ジンとの一騎打ち
視察を終え、島を離れようとする鶴岡タツミは、蝶に変身した橘ジンにつけられていることに気づきます。
橘ジンは包囲されますが、鶴岡はナナを含む全員をその場から立ち去らせ、1対1の状態を作りました。
ここでの鶴岡の目的は、「橘ジンを自らの配下に加えること」でした。
(「能力者を配下に加える」という話は「委員会」の立場としては良くないため、人払いをさせたんですね。)
橘ジンを強者と認めた鶴岡は、「配下に加わり忠誠を誓えば、知りたいことのすべて教える」と交渉します。
橘ジンはこの申し出を断りますが、鶴岡はさらに「橘ジンの能力の特性」をすでに2つ見抜いていると伝え、脅しをかけてきます。
橘ジンの能力の特性は確かに見抜かれていましたが、橘ジンはこれに動揺することなくそのまま戦闘となりました。
(戦いの描写は描かれませんでしたが、お互いに負傷する痛み分けという形で終了します。)
この鶴岡と橘ジンのやりとりから、鶴岡タツミが卓越した洞察力を持っていることが分かります。
そもそも、一番最初に蝶に変身していた橘ジンに気づく時点ですごいのですが、その後の短時間のやりとりだけで橘ジンの能力の特性と弱点を正確に見抜いていました。
鶴岡は人心掌握だけでなく、洞察力に非常に優れることが分かるシーンとなっています。
幹事長と呼ばれる政治家との会話
橘ジンとの戦闘後、本土に戻った鶴岡は、とあるお店の中で「幹事長」と呼ぶ政治家?と会話しています。
能力者たちを利用して、現政権を倒し、目の前の政治家を次の首相にするべく鶴岡は適切な助言を行います。
政治家からは「すべて鶴岡に任せる」と発言しており、絶対の信頼を置かれているようです。
鶴岡が政治家と繋がりがあり、また操っているともいえる描写が見られました。鶴岡は一体何者なのか、さらに疑問がわくシーンとなっています。
2度目のナナとの会話
「人類の敵」である能力者と分かり合おうとせずに一方的に殺すことに疑問を感じたナナは再度、鶴岡と会話します。
ナナが完全にやる気がなくなったと判断した鶴岡は、前回会話したときのような優しい態度は一切見せなくなり、「1週間以内に1人殺せば真実を教える」と冷たく命じます。
そして、「それが守れなければナナを殺す」とも。
無言で部屋を出るナナ。部屋には鶴岡と、ナナの後輩である真壁モエが残されました。
「この調子だとナナはもう人類の敵を殺さないのでは?」と危惧するモエに対して、鶴岡は「いや、(ナナは)殺す」と言い切ります。
その理由として「柊ナナは優しい」「そのためにお前(モエ)をそばに置いている」と。
この時点では、この理由の意味がさっぱり分かりませんでしたが、これは三島コハルを殺害するときに明らかになります。(後述します)
真壁サチヨとの遭遇
本土に戻ったナナは、真壁モエの里親にあたる真壁サチヨとともに歩いている鶴岡と遭遇します。
真壁サチヨに街を案内していたという鶴岡は、以降の街の案内をナナに任せます。
話しているうちに真壁サチヨはナナのことを「とても優しい」と気に入るようになり、「モエが何か間違いを犯すようなことがあれば止めてほしい」と頼まれます。
このシーンでは、ナナと鶴岡は偶発的に遭遇したように見えるのですが、鶴岡の狙いは「真壁サチヨとナナを会わせること」だったと分かります。(こちらも後述します)
三島コハルの殺害
ナナと三島コハルが和解しかけたところで鶴岡が登場し、三島コハルに発砲します。
虫の息となったコハルに対して、止めを指すようにナナに命じますが、先程まで和解しかけていた相手に対して止めを指すことを躊躇するナナ。
その様子を見た鶴岡は、代わりに真壁モエに拳銃を渡して三島コハルを殺すように命じます。
「人類の敵」を殺すのが初めてだというモエは、嬉々として拳銃を構えコハルに向けて発泡しました。
しかし、それを見たナナは発砲の軌道をずらして殺害を阻止し、モエから拳銃を奪い取るとナナは自らコハルに銃口を向けて発泡し殺害しました。
このとき、なぜナナは自ら泥をかぶるようなことをしたのでしょうか?
その理由は、ナナが真壁サチヨから「モエが何か間違いを犯すようなことがあれば止めてほしい」とお願いされていたからです。
ナナが真壁サチヨとの約束を守り、モエが「人殺し」という間違いを犯すことを阻止したんですね。
そして恐ろしいのは、鶴岡はこうなることを予め読んでいたということです。
鶴岡が、ナナが再び人類の敵を殺す理由として「優しい」と言っていたのは、「真壁モエに人殺しをさせないように庇って自分が殺すから」という意味だったんですね。
鶴岡は、ナナに「人類の敵」である三島コハルを殺させるために真壁モエを後輩として用意し、真壁サチヨと遭遇するように仕向けたということになります。
鶴岡は一体何手先まで読んでいるのでしょうか…?
この一連のシーンから、鶴岡の「先を見通す力」(先見性)の高さが見受けられますね。
鶴岡タツミの強さは?
鶴岡タツミの行動や言動について振り返りましたが、ここまでで分かる通り、鶴岡タツミの強さとしてあげられるのは「戦闘能力」ではありません。
「洞察力」や「先を見据える読み」もかなりの驚異ですが、特筆すべき力はマインドコントロール(人心掌握)です。
橘ジンが鶴岡との戦闘後に、鶴岡を以下のように評価しています。
能力の特性を見抜いた洞察力などではなく、人がなにを求めているのか他人の内なる欲求を瞬時に見抜きコントロールする能力こそが鶴岡の真骨頂
橘ジンは「国家の陰謀に関しての真実を知りたい」という目的があり、鶴岡タツミはそれを見抜いた上で「知りたいことのすべてを教える」という条件を提示して、配下につくように交渉していました。
その他にも、鶴岡が登場するシーンを改めて見ると短時間で相手の不満を解消し、奮起させることに成功しているシーンが多くなっています。
「マインドコントロール」こそが鶴岡タツミの「能力」と言っても良さそうですよね。
さらに加えて、(おそらく)無能力者でありながら、念動力を使用できる状態の橘ジンとの一騎打ちにおいて橘を負傷させています。
戦闘シーンの描写がないためガチンコの戦闘が行われたのかは分かりませんが、念動力を使用できる橘ジンを負傷させることができている点を考えると、素の戦闘能力も高いのかもしれません。
(こうなるといよいよ弱点がないですね。。。)
また、単に能力を隠しているだけで「実は能力者」という可能性もあります。
マインドコントロールに相性が良さそうなのは、ナナが偽装の能力として設定している「人の心を読む」能力が思いつきますね。
鶴岡が「他人の内なる欲求を瞬時に見抜く」ことができるのは、もしかすると能力を使用して行っている可能性もありえます。
鶴岡タツミの目的とは?
政界を裏から操っている様子も見られる鶴岡ですが、彼の目的は一体何なのでしょうか?
登場シーンを振り返ってみると、その時対面している人物に対して都合の良い発言や人心掌握するための発言しかしていないため、鶴岡自身が一体何をしたいのか、目的や本心が全く見えてきません。
根拠のない予想になってしまうのですが、物語の展開上「物語のラスボス=鶴岡タツミ」というのはほぼ間違いないかと思います。
しかし、現段階で仮にナナが鶴岡タツミを何とか倒すことができたとしても「委員会」の存在は残り続けてしまいます。
(物語としては、「鶴岡タツミ」ではなく「委員会」を倒さないとハッピーエンドとは言えません。)
ここで仮に、鶴岡が委員会を乗っ取ろうとしており、今は政府に助言を与えながらその時期を見計らっているとすれば、いずれ敵は「委員会のトップに君臨する鶴岡タツミ」という構図になりますよね。
このように展開していけば、「鶴岡を倒す=委員会のトップを倒す」という形になるため、鶴岡を倒すことで全て解決する状態に持っていけるのでは…という妄想をしてみました。
(根拠が何もないため、考察というレベルにも達してなくてすみません。。。)
非常に安っぽい展開ですが、上記の展開から考えられる鶴岡の目的は「委員会の乗っ取り」ということになりますね。
(ここまで書いておきながら、私自身も全くピンと来てませんが… 笑)
いかんせん、鶴岡タツミの背景に迫る描写が全くないため、もう少し作中でヒントが出てから追記していきます。
まとめ
鶴岡タツミの登場シーンのおさらいと、強さや目的について記載しました。
(目的についてはさっぱりですみません….)
まとめると、
- 鶴岡タツミの強さの核は「マインドコントロール」かつ「洞察力」「先を見据える先見性の高さ」も合わせ持っている。
- 鶴岡はおそらく無能力者だと思われるが、それでも橘ジンと互角に渡り合うほどの戦闘力も有している。
- 鶴岡の目的については今の所一切不明だが、仮説としては「委員会の乗っ取り」が考えられる。
という感じですね。
(鶴岡の動向が明かされるたびに追記していく予定です。)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!